コスタリカの最強の武器

国際交流

2017年10月03日

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 本学には様々な国・地域から、現職の教員の方や学生が留学や研修に来られています。その出身国紹介として、今回は、教員研修留学生ルイスさんから中米コスタリカの教育事情についてお聞きしました。

コスタリカの最強の武器

 私の名前はルイス・カルロス・バルケロ・アヴィラ(Luis Carlos Barquero Avila)です。30歳になります。日本に来る前の5年間、コスタリカの小さな高校テレセクンドリア・バヨス・デル・トロ・アマリロで英語の教師を務めていました。この学校の特色は、その規模です。通例の生徒数は全体で25名ほどしかいないのです。こうした特徴のおかげで、私は学生との間や学校全体で緊密なつながりを作ることができました。

 留学生として日本に来るチャンスは、私にとって逃したくないものでした。日本に滞在することで、教育者としてのスキルに関する知識も更新され、さらに幾つかの学習過程に関し、常勤職の状態では果たせなかった開拓も可能になっています。それと同時に、日本の人たちや様々な国の留学生と一対一で交流する機会でもあります。こうした交流のおかげで、一人の人間として、そして教育分野のプロとして成長できているように思います。


それでは、私の母国コスタリカの教育事情について紹介します。

    「ペンは剣よりも強し」( ブルワー=リットン、1839年)

 この言葉には恐らく、コスタリカ国民の最も強い信念の一つが込められているかもしれません。我々は、より平和で安定した世界を目指す一歩を踏み出すべく、69年前に軍隊を放棄する決断をしたのです。内戦終結後の1948年、以後軍事衝突を起こさない手段として、また国民の機会拡張を図るため、ホセ・フィゲレス・フェレール( José Figures Ferrer)が自由選挙により大統領に選出され、彼は軍隊を放棄するとともに、軍事予算を公教育システムに割り当てることを決心したのでした。それ以来、毎年の予算のうち、G D P( 国内総生産)の8パーセントに当たる額が、コスタリカの公教育システムの拡充のため用いられています。

 この象徴的な決断が、それからの半世紀以上、コスタリカ国民の信念の基盤となり続けてきました。そして我々は、児童や青少年が兵役や戦争の恐怖を経験することのない国に暮らしていることに、誇りを感じているのです。

 この決断のおかけで、教育システムの質が向上しただけでなく、国内の健康状態全般も良くなりました。難病の撲滅、将来的な見通しの改善が進み、ビジネスの分野においても競争力や投資の魅力が高まることになったのです。

 今やコスタリカの最強の武器は、教育を自由に享受することのできた何百万もの生徒たちだと言われています。そして我が国の軍隊とは、日々祖国の子供たちのために働く、能力と誇りに富む教師たちだと見なされているのです。

 ただし、コスタリカは発展途上国として、薬物の密売や社会的不平等といった多くの社会問題を抱える不安定な地域に位置することも確かです。さらに改善すべき点も多々残っています。とはいえ、良き教育を受けた国民には、来たる試練に立ち向かう備えもあると信じています。

 

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