対人援助職の暗黙知を可視化する

研究

2019年03月05日

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【研究室FILE】宮城教育大学の教員の独創的な研究をご紹介します。

家庭科教育講座 准教授 香曽我部  琢

 私は、幼児教育学、保育学の領域において、以下の3つの方向性で、生涯発達の立場に立って研究を進めてきました。まず、1つ目は、(A)保育実践における「幼児の学び」や「遊びの意味」を明らかにし、幼児の健やかな発達を保障する保育内容をカリキュラム・マネジメントするために保育者に求められる専門性に関する研究です。次に、2つ目は、(B)保育実践における保育者の姿から、保育者の暗黙知、身体知を顕在化し、実践における保育者の援助・指導の熟達化プロセスについて明らかにする研究です。最後に、3つ目は、(C)日々の保育の営みや園内研修を通じて、保育者が同僚や園長、園外の専門家など重要な他者とかかわる中で、どのようにして新たな保育実践を構想し、実現していくのか、保育者の職業的なアイデンティティ形成の在り方を検討してきた研究です。以上3つ方向性による研究の成果をもとに、幼稚園・保育所で現職教育を展開してきました。


香曽我部 琢香(こうそかべ たく)准教授 

 

 とくに、現職教育において、私は、保育者が自らの実践のこれまでのプロセスを省察したり、将来の自らの保育の在り方について展望を共有化したりするための研修技法として、人間の発達を開放システムとして捉える「複線経路・等至性アプローチ(TEA)を援用した保育カンファレンス」を開発・提案してきました。このTEA型保育カンファレンスをツールとして用いることで、多くの幼稚園・保育園で現職研修を実施しています。仙台の近隣の幼稚園・保育園と保育の質を高めるための共同的な実践・研究を展開しています。今年度の附属幼稚園の紀要においても、TEA型保育カンファレンスを用いた実践を附属幼稚園の先生方と協働して展開し、大きな研究成果を得ることができまし
た。


 また、現在、私は保育士不足の問題に対応するため、「保育者の離職と再就職の経験プロセスと再就職支援プログラムの開発」について研究を進めています。今後、この研究の成果としてTEM型のカンファレンス方法を用いた高大連携、セカンドキャリア支援についてもより実践的な研究を進めたいと考えています。

 香曽我部研究室について 2018年度ゼミ生一同 

  香曽我部研究室では、多様な領域の対人援助職を対象とした研究を行っています。今年度の4年生の研究テーマも様々で、幼児のいざこざや遊びを対象にした研究、学校事務の専門性に関する研究、アメリカの教育プログラム「Tools of the Mind」の理論に関する研究など多様です。
 また、修士課程では、保育実践のフィールドワークを日常的に実施し、年2回主催する研究会で大学の教員との協働でより実践的にスキルを学ぶことができます。この成果は、毎年、宮城教育大学の情報処理センターの紀要に寄稿しています。研究の問いを立て、サンプリングを実施し、それらのデータを分析し、知見をまとめるまでの研究の一連の流れを、より実践的に身につけることが可能です。

研究

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