素朴な疑問から始まる政治学

研究

2017年10月02日

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【研究室FILE】宮城教育大学の教員の独創的な研究をご紹介します。

社会科教育講座 准教授 石田 雅樹

 東日本大震災後の10月から宮城教育大学に赴任して、もうすぐ6年が経ちます。大学では政治学を担当していますが、政治学の中での専門は政治思想や政治哲学という研究領域です。これまでハンナ・アーレントという政治哲学者について研究してきましたが、近年ではアーレントの思想を通じて、「政治とは何か」「民主主義とは何か」「公共性とは何か」といった問題に取り組んでいます。

石田 雅樹(いしだ まさき) 准教授


 政治思想と聞くと難解に思われ敬遠されがちですが、議論の出発点にあるのは中学生でも分かる素朴な疑問です。例えば、中学校公民科の教科書には、民主主義について多数決と少数意見の尊重が記されていますが、どこからが多数/少数なのか、なぜ少数意見を尊重しなければならないかについては説明されていません。人びとの意見が51対49に分かれることは実際に現実政治で生じています(例えばイギリスのEU離脱の国民投票など)し、また後から考えると少数派の方が実は正しかった(例えば原発事故以前の原子力政策に対する批判など)ということもあります。このように民主主義一つを見ても無視できない厄介な問題が幾つもあり、それに一つ一つ向き合い考えていくのが政治思想という学問の面白いところです。そのような点で、私が担当する政治学演習(ゼミナール)でも、学生にはまず素朴な疑問を大切にして欲しいと話しています。思想家の難しい本を読み解く読解力も大切ですが、それ以上に重要なのは、身近にある政治問題に気づき、それを深め広めるために考えていくことだと思います。例えば、クラブ活動の運営方法にしても、皆の話合いで民主的に決めるか、監督のリーダシップに従うかという問題は政治学のテーマになりますし、実際このテーマで興味深い卒業論文を書いた卒業生もいました。そうした点も踏まえて政治学の楽しさを伝えることができればと思っています。

石田研究室について 社会科教育専攻 4年 伊藤 華築

 私たち政治学ゼミは、4年生4人、3年生4人と石田先生の計9人で活動を行なっています。活動内容は主に、政治学に関する文献講読や卒業論文の指導などで、普段は政治について真剣に議論していますが、時に石田先生の娘さんの話やゼミ生の近況を話したりもします。そうした皆仲良く和やかな雰囲気の中で政治学を学んでいます。
 今年度は、昨今話題になっている、トランプ旋風やフランスの国民戦線の台頭などに関するポピュリズム(大衆迎合主義)についての文献を講読しました。また、東京都知事選や仙台市市長選など時事的な問題についても議論を行い、内容を深めました。
 ゼミの活動では、物事を批判的に、多角的に捉える視点を重視して議論を行なっています。このことは、将来教師になったときに「深い学び」を実現させる上で役に立つと思います。

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