うたやリコーダーを通して、音楽を身近な存在に

研究

2020年05月28日

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【研究室FILE】宮城教育大学の教員の独創的な研究をご紹介します。

音楽教育講座 教授 原田 博之  

 

 神奈川県の女子高等学校から宮城教育大学に着任し、早15年の月日が過ぎようとしています。専門は声楽と音楽教育で、特に歌曲分野での演奏と、合唱の演奏法及び指導法の研究をしています。またライフワークとして、2014(平成26)年より作曲家 大中恩(1924-2018)の作品演奏に、声楽と合唱の分野で継続して取り組んでいます。《サッちゃん》をはじめとする子どものうたで知られる大中恩には3,000曲以上の作品がありますが、作曲者も大切にした自然で無理のない歌唱の実践と指導に、学生や各種学校の子どもたち、地域の方々と日々取り組んでいます。

 また、自らが小学生の時に、楽器を演奏したいという思いを満たしてくれたのがリコーダーでした。多くの方が学校で経験しているリコーダーですが、学習指導要領ではあくまでも選択楽器の一つです。バロック時代に隆盛を極め、その終焉と共に表舞台から一度姿を消したリコーダーは、20世紀初頭に起こった古楽復興運動により再び脚光を浴び、イギリスやドイツ、そして日本で学校教育に導入されました。その主な理由に、①誰でも簡単に音を出すことができる、②木管楽器の基礎を学ぶことができる、③早い時期から高度な音楽体験が可能といったリコーダーの特性があります。毎年秋に開催される「仙台クラシックフェスティバル」では仙台市市民文化事業団より依頼を受け、学生と「宮城教育大学リコーダーず」を結成し、小学生を対象とした「放課後の音楽室」企画を開催するほか、各学校の依頼に応えて派遣演奏も行っています。子どもを対象とするばかりでなく、幅広い世代の方が音楽を親しみ味わえる機会を提供できる人材を育てることが、現在の目標です。

原田 博之(ハラダ ヒロユキ) 教授

 同時に、これから国語の教員を目指すみなさんにおいては、「ことばを話せる」から教えられるということはなく、教えるからには「ことばについて知っている」必要があることを、感じてほしいと思っています。それは、単に知識を得ればいいということではなく、ことばについて「不思議だな」「なんでだろう」と感じたときに、それを明らかにするための方法論やさまざまな観点を学んでほしいということです。

 ことばは私たちの生活から切り離せないものですし、それこそ水や空気と同じように当たり前にあるものであり、意識が向きにくいものでもあります。ただ、そこにはおもしろいテーマがたくさん埋もれています。日々のことばを振り返り、ぜひ身近なことばについて考えてみてください。

原田研究室について 音楽教育専攻4年(2019年度) 尾留川 涼子

 原田研究室では、声楽や合唱、リコーダーの演奏と指導に携わりながら、各種学校や地域で子どもたちの音楽活動を支援しつつ、音楽指導のあり方について研究しています。所属する学生の研究テーマは、声楽実技のほか、論文では地域の教員が協力して取り組む合唱塾やマーチングの指導、リコーダーの奏法や指導法、演奏不安に関する研究など多岐にわたっています。

 私自身はソプラノで、卒業研究ではリヒャルト・シュトラウス作曲《8つの歌曲 作品10》に取り組んでいます。演奏技術の向上とともに、楽曲分析を通して詩と音楽との関わりを理解し、演奏表現に取り組んでいます。「仙台クラシックフェスティバル」では「リコーダーず」のメンバーとともに、3年間声楽で出演する機会を頂きました。こうした経験を、4月から着任する中学校教員としての活動にいかしたいと思います。

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