キャリアサポートセンター&教員採用試験合格者インタビュー

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2021年06月24日

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 教員志望である在学生の皆さん、宮城教育大学への入学を検討されている高校生の皆さんは、「教員採用試験」に大きな関心がありますよね。

 今回は、宮城教育大学の教員採用試験対策を担うキャリアサポートセンター(キャリサポ)の桂島特任教授、またそのキャリサポを利用して見事現役合格をされた菊田佳那さん(令和3年3月本学大学院修了)に、広報担当者がお話を伺ってきました。

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広報: まずは、教員採用試験の合格、また大学院の修了、おめでとうございます。

菊田: ありがとうございます。

広報: 菊田さんが教員を志したきっかけ、本学の教育学部及び大学院を志望された理由を教えてください。

菊田: 東日本大震災を経験した際、在学していた中学校の先生に精神的に支えていただいたことがきっかけです。自宅が被災し、震災当日は家族にも会えませんでしたが、家族に会えるまでその先生が傍で「大丈夫」と声をかけ続けてくださったことに、教員の魅力というものを感じ、私もその先生のように子どもたちの心に寄り添える教員になりたい、と思いました。

 教員になるにあたっては、やはり教育大学に進むべきと思い、地元である宮城県の、宮城教育大学に進学することを決めました。

 宮城教育大学に入学後は外国人の子どもに携わるボランティアをしていたのですが、その研究をもう少し掘り下げたいと思い、大学院に進学しました。大学院では、非常勤講師として県内の小学校に勤めながら、外国人児童の日本語指導に取り組みました。

 

広報: 桂島先生にお伺いします。近年の教員採用の傾向、また受験者に求められている力はどのようなものでしょうか。

桂島: 採用試験の現状についてお話すると、全国的に見て、ここ数年は大量退職が続いていますので、校種を問わず倍率が下がっているという状況にあります。この状況が、今後8年程度は続くとみています。その後は、少子化、退職者の減少により、採用予定者数は激減し、いわゆる「氷河期」という時代がやってきますので、今が教員になるチャンスと言えるでしょう。

 試験の傾向については、人物重視ということで、面接に重きが置かれた試験になっていますね。小学校教員採用試験の状況を見ると、一次試験では採用予定者数の2倍以上の合格者を出し、2次試験で半分以上を不合格にするという自治体もあります。

 では、その試験で求められている力は何かということですが、各自治体の採用試験要項には、面接試験の評価の観点が記載されており、教員としての適性はもとより、「コミュニケーション力」「協調性」といったものが挙げられています。様々な教育課題を解決していくためには、画一的な知識よりも教員としての総合力に長けた人物、他の先生方または児童生徒とコミュニケーションをとりながら、協調性をもって物事に取り組める人物が求められている、ということですね。

 

広報: 菊田さんは、教員採用試験の合格に向けてどのような対策を取られてきましたか。

菊田: 早くからキャリアサポートセンターで面接指導を申込み、試験直前まで指導を受け続けました。また、参考書や過去問題集を購入し、まずは一通り問題を解いて自分にどの程度の力が付いているのかを確認し、その後は苦手な部分に集中して取り組みましたね。

 

広報: 桂島先生にお伺いします。菊田さんがキャリアサポートセンターを利用されていた当時の様子について、どのようにご覧になっていましたか。

桂島: 教員採用試験対策ということで、菊田さんには面接指導を通算16回実施しています。令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策ということで、オンラインでの面接指導となりましたが、オンラインであってもこちらの意図するところは伝えることができましたし、また菊田さん自身の考え方もよく理解できました。毎回、質問内容について事前に調べ、考えたうえで面接指導に臨んでくれました。常に前向きで、努力家である様子も伺え、ぜひ教員になってほしいと感じていましたね。

 本番の面接試験では、実に様々な質問がなされます。それに対応するには、自分を理解すること、自己分析が非常に大切なんですね。どうして教員になりたいのか、自分が教員に向いていると考える理由は何かなど、対話を通して自分の中からしっかりと掘り起こすことが必要になります。菊田さんの良さが引き出せるように、また教師としての心構えをもってもらいたいという思いで、指導をしてきました。

 多くのかかわりを持ってきましたので、菊田さんなら合格できるだろうと思っていましたが、「合格しました!」という報告をもらった時は、自分のことのように嬉しかったですね。

 赴任先は私にゆかりのある小学校ということで、そういったところでも縁を感じています。赴任先は、菊田さんの出身地と同様に東日本大震災の被災地であり、心に傷をもった子どもや保護者の方がおられると思います。そういった方々の心に寄り添った対応をしていただく、それができる人だと思っていますので、ぜひ、菊田さんの持っている力を発揮してください。

 

広報: お話を聞いていると、当時のお二人のやり取りが思い浮かびますね。

桂島: 和やかに指導を進められましたね。キャリアサポートセンターでの面接指導では、質問への対応や試験対策のテクニックだけでなく、教師としてこんなことが大事じゃないか、子どもへの指導ではこんなことが大事じゃないか、といった、教師としての心構えも伝えています。

 

広報: 菊田さんが教員を目指すにあたって、学生生活で心がけたこと、意欲的に取り組まれたことがあれば聞かせてください。

菊田: ボランティアや非常勤講師として学校現場に携わることができる機会を、自分から積極的に設けるようにしてきました。ボランティアでは、外国人児童に携わるもののほか、被災地の学習支援ボランティアにも参加しましたね。大学院入学後に、非常勤講師として2年間、県内の小学校にお世話になりましたが、実際に現場に携わるという機会を自ら作ることが大切だと感じています。後輩の皆さんにも、ボランティア等の活動を通して、子どもたち、学校と関わる機会を設けてほしいと思っています。

 

広報: 菊田さんから、現場に足を運んで子どもたちと関わる機会を、という言葉がありましたが、本学の学生が教員を目指すにあたって、在学中にどのようなことに取り組んでほしいですか。

桂島: 持論でもありますが、この世で最も硬い石はダイヤモンドです。ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨くことができない。同様に人も人でしか磨くことができないと思っています。在学中にはサークル活動、ボランティア、又はアルバイト等で多くの人と関わり、人間関係を構築する中で、多くのことを学び、人間としての幅を広げていただきたいですね。また、学習支援のボランティアなどで、子どもと関わる経験、実際に学校に赴いて現場の空気を肌で感じることができるような経験も大切です。本学では、ふるさとインターンシップ(※)という事業を東北地域全域で実施しようとしています。早い段階から学校現場に赴いて教育の営みを理解する経験を積むことにより、大学での学ぶ意義が理解できるのではないでしょうか。

 また、教育について常に探求を重ね、自分なりの教育観を身に付けてほしいと思います。

 

広報: 最後に菊田さんから、教員を目指している後輩学生の皆さん、本学への入学を志望している高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

菊田: 桂島先生が仰っていたとおり、教員になるには、教科の指導力だけでなく、コミュニケーション力や協調性、在学中に様々な経験を積んでおくといったことが大切だと感じます。大学では、ボランティアとしての活動先を設けてくださったり、留学が授業の一環となっていたりと、様々な支援があります。部活動やサークル活動も含め、様々な経験をされたうえで、教員になっていただきたいと思います。いつか皆さんと一緒に働ける日が来るのを楽しみにしています。

【桂島 晃 特任教授】

昭和56年宮城教育大学卒。

宮城県公立中学校教諭として採用後、宮城県大河原教育事務所長、宮城県教育庁参事兼義務教育課長、宮城県塩竈市立第一中学校長、宮城県中学校長会長などを歴任。

平成30年4月より現職。

 

【菊田 佳那】

宮城県気仙沼高等学校卒。

宮城教育大学教育学部を卒業後、同大学院教育学研究科修士課程へ進学。

令和3年度(令和2年度実施)宮城県公立学校教員採用候補者選考(小学校)合格。

令和3年4月より宮城県公立小学校勤務。

 

(※)ふるさとインターンシップ

 …学部1年次学生が、主に出身の公立小学校又は中学校(東北6県)において1週間程度の学校現場体験を行うもの。

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