現在、「数十年に一度の大改修」の時期を迎えている本学。変わりゆくキャンパスの様子を「改修建物を巡る」シリーズとして、数回に分けてお送りします。
初回は、どの学生も必ずお世話になる「体育館・武道場」です。
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令和2年3月31日、本学の体育館と武道場がリニューアルされました。築後50年が経過し、老朽化が進んでいたため教育研究機能の低下が著しく、更にバリアフリーの観点からも後進的な建物となっている中、今回は「内外装の全面改修」を行い教育研究機能の向上を図った形です。
外観(改修前)
外観(改修後)
玄関部分をよく見ると、改修前にあった階段が無くなっています。広場の地面を玄関と同じ高さまでかさ上げすることで、外周道路からフラットにアクセスすることが出来るようになりました。そのため元々あったスロープも必要なくなったことから撤去し、とてもスッキリしています。同時に外壁も他の改修建物に合わせた色合いに改修し、防水機能も高めています。
廊下(改修後)
更衣室(改修後)
改修前の廊下は夏場になると湿気で滑りやすい状態でしたが、裸足でも歩きたくなるような快適な廊下になりました。更衣室についてもシャワールームと流し台をリニューアルし、気持ちよく使えるものになっています。
フロア(改修後)
フロアの床下地(改修後/鋼製床組み)
フロアは見た目が綺麗になっただけのように見えますが、実は床の下地を木製のものから「鋼製床組み」へと改修し、通気性の向上と床面結露を防止する仕様へと変わりました。
武道場(改修後)
ダンス室(改修後)
武道場についても結露防止のため床下地を改修しています。ダンス室は、今までは木の床だったため老朽化でささくれた箇所があるなど危険でしたが、改修により安全な床面となったため、より充実した表現活動を行うことができます。
改修と同時に、新たな設備も導入されました。
スポーツ中の動作を分析するためのコーチングシステムです。
例えば、このようにバスケットボールのシュート動作を撮影すると・・・
設定した時間だけ遅れてモニターに映し出されるので、自分の動作がどのようになっているかすぐに確認出来ます。また、録画した動作を隣の画面に映し出すことで、動作の比較分析を行うことも出来ます。自分の動作の確認と改善だけでなく、例えば教育現場などで、身体を動かすことが苦手な子どもたちにどのようなアドバイスをすると良い動作になるか、などといった研究や指導法の研鑽等に活用することが期待されます。
また、幅広いコートを使用するスポーツの場合は魚眼レンズで撮影し、画面の歪みを補正して分析するシステムも新たに導入されました。例えばサッカーの試合でピッチ全体を撮影し、チーム全体としての動きの分析や戦術理解、作戦立案などを行うことが出来ます。こちらは個々人の動作に加え、団体競技の指導や研究の研鑽において活用することが期待されます。
このように建物そのもののリニューアルに加え、教育研究の機能面でも大きく進化を遂げた本学体育館ですが、1年次学生は小学校専門科目「体育」が必修であることに加え、入学早々のスポーツテストでも必ず使用することとなります。
昨年度は残念ながら新型コロナウイルス感染症の拡大により使用する機会が限られてしまいましたが、今後は今まで以上に充実した教育研究を行うことが出来るようになると考えています。