震災遺構荒浜小学校からの学び

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2019年08月07日

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 震災遺構仙台市立荒浜小学校の公開を機に、子どもが学校行事等で災害メモリアル施設を訪れ、震災・防災について学ぶ機会が増えています。宮城教育大学は、震災遺構を重要な震災伝承の教育資源として、学校において震災・防災学習のために効果的に活用できるよう、2019年4月に発足させた防災研修の拠点、防災教育研修機構「311いのちを守る教育研修機構」を中心に、学内外の関係機関と連携して継続的に様々な取組を展開しています。

震災遺構荒浜小の現地スタッフを招いて震災学習教材開発演習を実施

 教職大学院の授業「学校教育・教職研究B(地域協働)」では、荒浜小遺構の現地案内をつとめる職員の高山智行さんをお招きして、震災遺構を通じた学習教材の開発演習を行いました。

 演習は、6月に実施した荒浜小遺構での実地研修を振り返りながら、小中高校の学校種別にグループを編成し、震災遺構の活用を軸とした指導計画やワークシートを検討して発表するもので、現職教員として在学する院生が多く参加していることもあり、気仙沼や岩沼などの所属校における震災伝承・防災学習の実践経験を生かし、さまざまな教科・活動を組み合わせたカリキュラム・マネジメントの視点を含むさまざまなアイディアが出されました。

 高山さんからは、それぞれの案に対して、荒浜小遺構で子どもの学習の様子や課題、留意点などを日頃来訪者に案内している知見を踏まえた助言をいただきました。

 

 附属小学校教諭ら荒浜地区の震災遺構で研修

 まもなく震災から8年半を迎えます。震災後に生まれた子どもが小学校に入学するなか、地元の子どもに震災を伝承し、災害に備える防災学習が課題となっています。こうしたことを受け附属小では震災・防災学習に積極的に取り組んでいます。

 8月2日、宮城教育大学附属小学校の教員ら33名が、夏休み中の校内教員研修の一環として、仙台市荒浜地区の震災遺構を訪れました。2年前に公開が始まった荒浜小遺構と、ちょうどこの日に公開が始まった荒浜地区の「住宅基礎遺構」を見学しました。附属小では、今年中に5〜6年生を対象とした震災・防災学習を計画しており、今回の訪問を通じて教諭らは、震災遺構を訪問する前の指導や、訪問後の振り返りも含め、どのような授業づくりが出来るか、訪問する際の留意点や流れなどを検討しました。

 案内役の現地スタッフ高山智行さんより、「遺構となった荒浜小は、震災の経験を多くの人たちに知ってもらう伝承施設であると同時に、ここに暮らした人たちの思い出の場、集いの場であることにも目を向けてほしい」と遺構の役割や存在意義についてお聞きし、附属小の西城潔校長(宮城教育大学教授,自然地理学)が、「日々、小学校で子どもたちと関わっている教員にとって、震災当時の生々しい痕跡が残る荒浜小は、震災遺構という言葉だけでは表しきれない場であるはず。今日の見聞は、きっと附属小児童の防災学習にも活かされるだろう」と研修の意義を振り返りました。

 大学の重点支援研究プロジェクト『震災の記憶が希薄な児童に対する災害遺構を活用した防災教育の効果―附属小との協働実証』を主導する同機構の小田隆史准教授からも、「課外学習で、いのちと暮らしの尊さを学ぶ機会を創出することは重要。子どもの心理面や震災を経験した大人の心情も考慮し、附属小の先生たちの意見をもとに被災地学習の効果や課題について考えたい」と感想が述べられました。

 宮城教育大学では、仙台市と連携して荒浜小遺構活用のための教員向け手引書を刊行(http://drr.miyakyo-u.ac.jp/arahama/)。全学をあげて防災教育の推進に取り組んでいます。

 

 

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